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感情に生きられない。 謙虚に生きられない。 論理に生きられない。
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前巻よりグロさ10倍でお送りしております。
 
グロスの宣伝になれそうなほどツヤッツヤグロッシーな唇の英悟さんと歯のホワイトニングの宣伝に出れそうなほどの白く歯並びの良い神酒さんが表紙。
 
 
上巻のあらすじ解説ページ、『……というヤクザ風の男・陳の誘いにのり』……って、陳は別人だから!それは、ジャバザハットっぽい口臭きつい人だから!陣さん一応イケメンの伊達男枠だから!
かわいそすぎる間違え方すんなよ!!
 
神酒さん、とても良い方ね。
キャラとしては達磨ハンが一番近い感じだけど、達磨ハンにはない器用さとかソフトさみたいなのも持ち合わせてる感じ。
髪は刈り上げてたであろう達磨ハンと違って、あのサラッサラの髪型、絶対手間かかってるよね。
 
英悟も陣も魅力的ですが好みでいうとやっぱ神酒が一番すきかなー。
 
神酒タン、なんかほんのり汗の香りがしそう、でも汗くさいってんじゃなくて好ましい、みたいなイメージが勝手にある。
 
神酒タン、19歳の頃はまさかの大学生。家族もフツーにいたっぽい。狂犬度も今ほどじゃないし、お鼻の切り傷もない様子。
 
飛び甚パパの系譜に連なるの老害フェイスと『樹海』のマスターの後ろ髪を持つ男、金魚! 特技は一人SAW!!
 
しかし、読者は金魚さんの両脚なんかよりデルタ地帯の方が気になってくるハズだ。
 
金魚さんの陰毛見ると、飛び甚パパの陰毛見れたような錯覚に陥って嬉しくなるよね。(ポリアンナ症候群)
 
英悟の股旅ルック、次郎長放浪記コスっぽいのも嬉しい。
 
「や…薬師丸…お前が相手――!!!」のコマの薬師丸、デラベッピン。
 
陣さん、良いキャラなんだけど、タンクロウと違って英悟を何とも思ってないのが、「ああ、この人タンクロウと違うんだ」っていつも感じちゃうのよねえ。陣さんが悪いわけじゃないんだけど。いや、陣さんは悪いけど。
 
……と思ってたら矢印が神酒タンに向いてた!裏園ではかなりのストーカーっぷりだ!
 
「必ずや…良いご報告ができましょう」 陣さん!そんなことしたらアンタの中に秘められたタンクロウDNAが覚醒してしまうで!!
 
あからさまに「凌ぎの哲」の常恩っぽい禰宜も常恩と同じくトラウマ持ち。悪い奴にも悪くなるだけの動機があるっていう朽葉先生の脚本は好きですね。
 
「これを見ろ!!」陣さんのその傷もすげー気になるけど、その直前に点描っぽいのがすげー気になる。
 
陣さん、クールで打算的なキャラっぽかったけど、最後で情念キャラ、被虐キャラに変化しちゃって、「やはり隠されたタンクロウのDNAが発現してしまったか……」って呟いた。
 
「この疵を刻ませた相手で今…」のコマの陣さん、デラベッピン。
 
このボルテージマックスの四人で……、賭け種目は手本引きで……、原先生と朽葉先生のタッグで……それなのにここで終わりだなんてあんまりだああ!!!


 
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《一部単行本未収録》
『レート』 近代麻雀ゴールド92年~95年頃連載
『凌ぎの哲』(雀荘争奪編) 近代麻雀2005年9月1日号~2006年6月1日号 
『悪党ランチ』 別冊漫画ゴラク26巻12号(通号543号)~26巻17号(通号548号)

《未単行本化》
『カジノ』 別冊漫画ゴラク2002年07月03日号
『悪徳警視ゲバ』 プレイコミック連載 
『天外者』 別冊漫画ゴラク連載
『棒球天国ウルブス』 別冊漫画ゴラク連載
『金と運』 別冊漫画ゴラク2006年10月25日号~ (全13話)
『悪党革命ラモン』 コミックバンチ2007年06月22日号 7巻25号(通号291号)
 
《単行本化されてるが極レア疑惑》
『鉄拳1』  リイド社 SPコミックス 1996年5月1日発行 ISBN: 4845812983 (9784845812981)
 
※『鉄拳―破嵐の章―』とは別ものと思われる。


《各種出典》

【掲載時期情報】
http://831rec.blog99.fc2.com/blog-entry-158.html
http://picnic.to/~ohp/diary/2007/06a.htm

【ちょめ田さんからの情報】
ちょめ田さんから教えていただきました。未確認の情報も含まれているとのことでお気をつけてほしいとのことでした。
・別冊漫画ゴラク2002年07月03日号 「カジノ」(未確認)
・近代麻雀2005年9月1日号~2006年6月1日号 「麻雀放浪記凌ぎの哲」の未収録分(未確認)
・別冊漫画ゴラク26巻12号(通号543号)~26巻17号(通号548号)「悪党パンチ」
・別冊漫画ゴラク2006年10月25日号~?(全13話/未確認)「金と運」
・コミックバンチ2007年06月22日号 7巻25号(通号291号) 「惡党革命ラモン」(読み切り)

【『天外者』台詞】
http://mimizun.com/log/2ch/4649/997704516/

【『天外者』『ウルブス』関連コメント】
http://mimizun.com/log/2ch/comic/988969892/
http://mimizun.com/log/2ch/comic/975826963/

【TOKYO巡礼歌;『レート』感想】
http://d.hatena.ne.jp/yomota258/20070218/1223050413 
【2種類の原恵一郎版鉄拳】
『鉄拳1』http://www.netoff.co.jp/detail/0000561692
『鉄拳―破嵐の章―』http://www.netoff.co.jp/detail/0000056687


ヘルファイア開発13班インタビュー / 『いま、ゲーム屋である、ということ』

 

インタビュアー:瀧野渡(ゲメ通編集部)


薬袋泰夫(みない・やすお) / プロデューサー
1965年生まれ。1885年ヘルファイアの前身である株式会社天狗堂に入社。3班サブディレクター、7班サブディレクター、4班コンサルタントを経た後、1997年に13班ディレクターとなる。趣味は陶芸、釣り。

織部壱機(おりべ・いつき) / チーフプログラマー
1980年生まれ。2003年ヘルファイア入社。13班配属後、『天涯境盧遮那絵巻』『ぺぺとおつきさま』『クラウン・クラウン』『ディアボロ ~キング・オブ・ザ・ジャグリング~』などの作品のプログラムを手掛ける。『@』以降よりチーフプログラマーを担当。
ヘルファイアが特許を持つレヴァンティンシステムの開発者でもある。趣味は将棋。

小倉俊則(おぐら・としのり) / チーフデザイナー
1978年生まれ。2001年スティング入社。2003年ヘルファイアに移籍。13班配属後、『血讐/フェーデ』『展覧会の絵』『露裏魂(ろりこん) ~ギリギリアウト伝説~』『ラブvジャンキーズ!!!』などのサブデザイナーを務めた後、『ウルフサルク防衛線』でチーフデザイナーデビュー。他に画集『オグトシ学習帳』など。
趣味は露天風呂めぐり、ボードゲームなど。

神尾宣彦(かみお・のぶひこ) / 広報担当
1986年生まれ。2009年ヘルファイア入社。同社の広報誌、『業火通信』の4コマでもおなじみの営業ボーイ。13班のマスコット的存在である。趣味は映画、スノボ。

 

201X年某月某日、我々ゲメ通編集部はヘルファイアの本社、リンボビルディングの9Fに招じ入れられ、第十三開発班の重鎮たちの肉声を聞く機会を得た。彼らは次回作『トーキング・ヘッズ』の制作中であり、我々が取材の準備をする間もブレインストーミングに余念がないようであった。

 

ゲメ通編集部(以下『編』):今日はお忙しいところを快くインタビューに応じてくださり、誠にありがとうございます。

薬袋:宜しくお願いします。

織部:お願いします。

小倉:どーも。

神尾:恐縮です。

編:では、ベタな質問ではありますが、『重力の三世紀』の誕生の経緯をお聞かせ願えますでしょうか。あと、誕生秘話的なものがあればそれもお願いします。

薬袋:次回作を出そうという意見自体は『宿命宮』のスマッシュヒットの直後からあったんですよね。出水(いでみず)プロデューサー御自身のそもそもの原案も三部作の予定だったそうですし。

小倉:『宿命宮』の開発段階の時はイズさん(※1)すごい熱く語ってたんだよね、第一作が出る前なのに、第二作が早く作りたい、シナリオは完璧、ゲームシステムは緻密、ってさ。嘆いてたね。惜しむらくは、このシステムを動かすには、今の環境では不足すぎる。5年経てば、ソフト開発の技術もハードのスペックも、進歩しているだろうから、早く5年経たねえかなー、って。

織部:『宿命宮』が売れに売れて、続編をせっつく上層部と揉めたんです。今は作る気はまったくないって言いきっているのに、ブームが下火にならないうちに二匹目のどじょうをっていうのが経営陣だったから。

神尾:もともとイズさんは独立独歩の人だったけど、この一件で完全に嫌気がさして独立して自分の会社(※2)興しちゃった。

薬袋:まぁ、昔の話なので……。今は上層部の顔触れも違いますし、だいぶ、開発者に理解のある経営方針を取ってくれてます。ヘルファイアの経営方針といっても、世代が交代するたびに変わっていますから。

編:さすが、天狗堂の時代からお勤めになっているだけあって、お詳しい。

神尾:でもさぁ、イズさんとはむちゃくちゃ合わなかったみたいだけど、ドム社長(※3)の頃の経営もあれはあれで傑作の母体となる余地があったよね。体育会的というか、田中角栄的というか。売り上げにこだわっていたのはもちろんだけど、なんか大きなことをしてやろうっていう、気概というか覇気というかテンションの高さはあった。

織部:傑作の誉れ高い『ドリーマーズダイアリー』とか『Gフォージェノサイド』とか『神様物語』はドム社長時代の作品だよね。

薬袋:野心や矜持の持ち方に関して言えば、先々代と出水氏は似通っているところも多かったと思うのですけれど、いかんせんアプローチの方法が180°違っていましたからね。

編:傑作ゆえに利潤も諍いも生んだ『宿命宮』ですが、それゆえに続編は相当な難産だったということでしょうか。

薬袋:ことあるたびに続編の話はでるんですが、自分が『宿命宮』の続編をプロデュースできるとはとうてい思えなくて、その度に辞退していたんです。他のプロデューサーの反応も似たり寄ったりだったみたいで。ただ、最後にもちかけられたのが、その夏売り上げの不振(※4)がつらいので、なんとしてでも売れるタイトルが欲しいという話で(笑)、断るに断れなくて、この織部や小倉をはじめとするうちの若いのと話しているうちに、彼らの前作への愛着と、当時いかに、次回作を待ち望んでいたかっていう話になって、彼らの熱意にほだされた格好で、着手しましたね。

神尾:神妙な空気がありましたね。ある日、小倉さんとこに遊びにいったら小倉さんが、『おい、神尾ぉ、宿命宮の続きやりたいか?』っていきなり訊いてきて、『やりたいッス!』って即答したら、『おまえが続き作りたいか?』って重ねて問われて、『無理ッス!』て答えたら、『そおぉぉぉだよなー』と、むつかしい顔してどっかいっちゃった(笑)

小倉:俺今あの作品の続編作ってるんだぜー、いいだろー、って他の社員や同業者に単純には自慢しづらいムードがあった。

織部:僕は腕の一本や二本失う覚悟でしたよ。正式に製作をお受けしたとき。

神尾:一番いつきさんが積極的でしたよね。

小倉:ちょっと目がイっちゃってたね。うわ、こいつほんとオタクだ、キモいって思う瞬間が何度かあった。

織部:(苦笑)

小倉:まぁ、いつもは俺の方がいつきにそう思われることの方が圧倒的に多いんですが。

編:織部さんと小倉さんの仲の良さ、親密さは有名ですが、続編製作にあたっては意見の相違などありませんでしたか?

小倉:え。俺、別にいつきとそんなに仲良いわけでもないですけど。というか、意見の違いはおおむねいつもあります。いつきの場合、その差異に関して延々と語り合えるってだけで、そんなべたべたしてるってわけでもないっすね。

神尾:いや、ホモホモしいですよ。これといった理由もなく、お互いの部屋に転がり込んで1週間単位で長逗留していることがしょっちゅうなんで。

薬袋:彼女にさせるような仕事だってさせてるって話じゃないか。

神尾:そうですよー。完全に彼女に甘えるノリですよ。汚れものとか洗わせますもん。アフターファイブに、いつきさんのデクスに寄ってきて、ガバって覆いかぶさって、『イツェモーン、洗いものがたまって力がでにゃーい』とか。んで、いつきさんがオグトシさんのうちに言って、オグトシさんのパンツやらなんやらを洗濯機にブチこんで、ガーガー洗ってるっていう。

編:それはすごい。

織部:でも、それホモでもなんでもなくてたんなる無精ですね(キッパリ) 俺がイヤだって言うと、さっさと離れて神尾の方に擦り寄っていきますから。誰でもいいんですよ。

編:なるほど(笑)。でも、そんな織部さんが小倉さんの家に泊りにいくってのは意外な気もしますが。

織部:オグトシんちは過ごしやすいんですよ。マンション住まいだから僕のアパートより広いですし、パソコンも最新型のいいのが3台あるからどれかは使わせてもらって作業ができる。僕がオグトシの家に泊りにいくのって僕が何かしらのタスクを抱えていて、オグトシが比較的暇なことが多いんです。オグトシんちだと気分転換がしやすいし、過ごしやすい。会社からも近いですしね。設備のスペックも高いし、ちゃんと片付けてあれば相当便利な家ですよ。あと、目覚ましがわりに起こしてくれる、二度寝防止になってくれるってのも大きいかも。一人で徹夜続きだとどうしてもきつくなっちゃいますからね。
そういえば、僕が忙しくて奴が暇だと、奴は結構優しいんですよ。基本、お互い無言で過ごすことが多いんですが、ときどきすすすすすと寄ってきて『カルボナーラ作ったんだけど…』とか『これ、夜食の鯛飯…薬味かけて食べてね……』とか。

編:掃除はお嫌いなのに料理は作れるんですか?

織部:ああ、料理得意なんです。でも、家事掃除は嫌い。汚れものって食えないジャン、みたいな。

神尾:ぼく、営業で顧客との交流も多いんですけど、オグトシさんといつきさん、実際はどうなのかって、ヘルファイアの女性ファンからいっつも訊かれますよ。

織部:どうもなにも持ちつ持たれつの普通の友人ですよ。

神尾:よりマニアックなことを訊かれたりもしますけどね。オグ×いつ派か、いつ×オグ派か、みたいな。

小倉:で、お前は何派なの?

神尾:僕ですか?

神尾:怒らんから言ってみ。

神尾:いつ×オグ派ですが。

小倉:(大きく溜息をついて) もぉ、いいわ、お前。

神尾:えぇ! オグ×いつ派って答えればよかったんですか?

小倉:いや、同じリアクションだったけどね。

神尾:えー。

小倉:ふーん。ホモっぽいってことで人気でるなら、俺このままホモって扱いで、ファンの女の子食いまくっちゃる。

織部:いや、ホモで女食いとか、無理だろ……。

編:そういえば、『重力の三世紀』に出てくる二人のヒロイン、パラダイスとガロアがヘルファイアのファンの女の子をモデルにしているということで、某所ではその話題でもちきりでしたが、そこらへんはどうなのでしょうか。

小倉:えーっと。かなり間違った情報ですよね、それ。まず、パラダイスには実在のモデルは特にいません。ガロアに関しては、インスパイアされた人物ってのが一応いますけど、それも、今のヘルファイアのファンの子ではなくて『宿命宮』の頃の時代のファンだった女の子なんですけどね。
 


出版元:二葉社
頁数:156p
価格:¥2700


≪序文≫

ライター/ローレンシア大塚


『重力の三世紀』は2010年にPS3で発売されたカルト的名作“Dooms and Dungeons”こと『宿命宮』の続編である。

『宿命宮』は世界観こそRPGの古典、ウィザードリィに倣い、迷宮とそこに徘徊するモンスター、それらが隠し持つ財宝、戦士、魔法使い、盗賊といった能力を反映する職種といったモチーフに終始しているが、システム面から捉えればウィザードリィとは真逆のものである。

アンチとさえ言えるかもしれない。

Wizやドラクエといった名作により育まれ、脈々と受け継がれていたパラメータ操作型のターン制バトル。
今やRPGと言えばそれら数値型のバトルを主眼に置いたゲームとほぼ同義、ニアイコールである。
従来なら、そこで、別のシステムを、と望んでも、ターン制のパラメータ操作がリアルタイムアクションにすり替わってアクションRPGと呼ばれるものになるだけだった。

『宿命宮』は、それら現行RPGの潮流に対し、堂々とNOを唱えたのである。

“Dooms and Dungeons”の戦闘シーンを友人宅で初めて見たとき、僕はその異様さにただただ驚いた。

HPやMPが可視化されず、能力値がすべて隠しパラメータになっている。
のみならず、そもそもどのようなパラメータがあり、どのような計算式になっているかが皆目分からないのである。
バトルは手探りのまま始まり、僥倖と不運に揺さぶられながら終わる。

友人の操作する剣士が二体のリザードマンとの死闘の末、斑々と血の落ちたフロアの上で肩で息をしているのを見たとき、僕はRPGの新世代の到来をひしひしと感じていた。
あとは恋に落ちたようなものだ。僕は夜通し友人宅で『宿命宮』をプレイした。ちょうどイェソドの南廊、フロンティア発狂のイベントが起こったところで殺されてしまった。

得体が知れないながらも背中をあずけられる仲間であったフロンティアとの対決、そして敗北。『宿命宮』ではプレイヤーキャラの死は絶対である。ゲームがすすめば、水鏡、獏使いなどのアイテムを使って一時的なセーブによる状況の巻き戻しを図ることも可能にはなるが、それにしたって分身の死、予知による死の回避という体裁を取るのだ。

一夜の冒険が切り刻まれて無に帰ってゆくのを僕は呆然と見ていた。徹夜明けで僕の心はひどくバランスを崩しやすくなっていた。いともあっさりローレンシア(僕のプレイヤーキャラだ)の無念を思って泣いた。7時間のプレイ時間を7年の月日のようにも感じていた。

タイトル画面が表示されたが、僕は無残な死の余韻に浸っていた。外を見れば空は夜明け前の闇を含んだ蒼だった。始電がでていることを思い出し、僕は秋葉原へと向かった。無論、『宿命宮』を買いに。ソフマップに開店前から並んで、『宿命宮』を買った。クリスマス前だった。店員から『プレゼント用ですか?』と聞かれた僕は何故か『はい』と返事してしまい、訂正するのも気がひけて見守っていると、『宿命宮』は迷宮の壁の色模様にも似た包装紙にくるまれ、深紅のリボンがかけられた。それはこの傑作に妙に似つかわしい姿だった。
僕はそのプレゼントを帰り道ずっと胸に抱いてた。
自宅に帰るとシャワーを浴びて一眠りした。布団に入るとすぐに意識がとんだ。夢を見た。
宿命宮の夢だった。
悲しいけれどひどく晴れやかな気持ちで目が覚めた。夢の内容はすでにあらかた忘れかけていたけれど。
周りを見回すと枕もとに贈答用に包装された『宿命宮』が転がっていた。迷宮の壁を剥いでそこに置いたみたいだった。あたかも、それが夢が夢じゃなかったと主張しているように。

あとは言うまでもない。

至福の日々だ。

“Dooms and Dungeons”の発売から7年。多くのことがあった。
大学を中退して出版社に入り、長年の夢だった『ゲーメスト通信』所属のライターになった。
おそるおそるしたためたゲーム評だったが、意外にも読者には好評だった。これがきっかけで季刊の『ゲメ通ポータブル』の編集長を任されるという思わぬ出世もした。無理ではないかと諦めていた結婚もしたし、子供できた。
忙しくなくなり、身軽さを失った。
仕事の一環としてゲームを見る向きが強くなり、一プレイヤーだった頃の童心を忘れがちになった。

そんな折の”Three Century of Gravities”発売である。
正直に言おう。昔はいざしらず今の自分がゲームにハマれるはずがないとたかをくくっていた。

”Three Century of Gravities”のデモ画面のスクリーンショットがプレスに流れ始め、ゲームショーでのテストプレイの素晴らしさが周囲で囁かれ始めても、自分には関係のないことだと思っていた。むしろ、このカルト作の続編発売に対する周囲の熱狂は僕の熱を冷まし、僕を、前作への郷愁と、郷愁が往々にしてもたらす現世への興味への喪失に浸らせていたようである。

僕が愛したのはあくまで”Dooms and Dungeons”であり、”Three Century of Gravities”ではない。

そんな傲慢な気持ちにさえなっていた。

バカ。

レビューを書かねばとゲームを始めてものの数分。僕は7年前の冬の夜に戻っていた。

違うと言えば全く違う作品である。意図して対比させた部分もあるのだろう。

”Dooms and Dungeons”はリアルに息づいた迷宮内で冒険が繰り広げられる。”Three Century of Gravities”は雄大で解放感に溢れてはいるものの、どこか現実感を喪失した大自然を舞台にしている。

”Dooms and Dungeons”が、基本的に仲間はいても、主人公との関わりのなかでしか捉えられないのに対し、“Three Century of Gravities”は群像劇に近い要素を帯びている。

”Dooms and Dungeons”が戦略をこと細かに練れたのに対し“Three Century of Gravities”は戦闘に際したおおまかなスタンスを選べるだけである。

様々な面で大幅な変更があるにも関わらず、土台は全く同じ印象を受ける。
確かに繋がっている。

正当な、純血の、志を継いだ後嗣。

暴力的とさえ言える進化欲。

プレイヤーと現実とゲームの三者を堅固に結びつけ、一つの回路を形成しようとする試み。

”Dooms and Dungeons”が自分にとって最愛の者に例えられるなら、”Three Century of Gravities”はまさしくその間にできた娘である。

日々老いてゆく僕に、進化を重ね飛翔を重ねる”Three Century of Gravities”はまぶしく映る。
僕には三才になる娘がいるけれど、彼女らはとても似ている。
若く、瑞々しく、前途洋洋である。

彼女らはかつて僕らがいたところを丁寧になぞることもある。

しかし、いつか僕らが辿りつけなかった地平にたどりついてくれるだろう。

全ての”Three Century of Gravities”プレイヤーをことほぎながら、ゲメ通編集部から謹んでこの書を献上させていただく。

  2017年4月11日  ローレンシア大塚





≪寄稿イラスト≫

頁左『伽藍の森』

絵師/冬月皓子

イラストレーター、絵本作家。『エクス・マキーナ』シリーズキャラクターデザイン、絵本『かげかあさん』など

コメント:
一世紀編の終わりになんの気なしに播いた種は二世紀の途中で巨木の立ち並ぶジャングルに。ゲームをやっていて『わぁっ』とため息を漏らしたのは初めてです。



頁右上『ハートブレイクヒル』

絵師/プレイア

漫画家。『週刊少年ジャプン』上で『カバディマスター富樫』を連載中。

コメント:
覚悟と漢気と殺意がみっちり詰まっている三世紀が時代的には一番好きですね。



頁右下『パラダイス』

絵師/蛭蛹蛆

イラストレーター。画集『月窒身寸米青』(ゲツチツシンスンマイセイ)など。

コメント:

パラダイス。逆さに読むとスイダラパ。
フリーダムなキャラが多いゲームですが、最初ビクンビクン途中クパッしばらくしたらゲル化して最後にオギャーってなる抜きんでたフリーダムっぷりに心奪われました。やつは大変なものを盗んでいきました。あなたのいのちです。仲間内でのあだ名は『副乳』。





≪『重力の三世紀』に影響を与えた作品たち≫

"Three Centuries of Gravity" (Geyser)
ゲームタイトルはブリティッシュロックの大御所、ジェイサーの”Three Centuries of Gravity”より。薬袋プロデューサーがこの曲を聴いていたときに骨子となるアイデアが湧いてきたとインタビューで答えている。
著作権の関係から、Centuriesが単数に、Gravityが複数形になっている。
"Three Centuries of Gravity"自体もノーベル賞作家、トマス・ピンチョンの『重力の虹』に影響されたものである。

『魔法戦士ミルキーフラッシュ』
同名アダルトゲームをアニメ化したすがすがしいまでに露骨に扇情的な美少女アニメ。
パラダイスが泳いでいるときの水着(?)の元ネタである。

『ア・ビット・ライフ』
2009年にアーキテクトから発売されたライフゲーム。
伽藍の森はア・ビット・ライフ植物版の趣があり、デザイン担当の小倉氏とプログラム担当の織部氏はこのゲームの熱烈なファン。



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